2025/10/5

「記憶力がない」は本当か?

 

中3の受験対策の授業である土曜講座の地理の授業では

確認テストを行っています。

この確認テストは「この問題を出すよ」と予告しているのですが、

点数には大きな差が出てしまいます。


できなかった塾生の中には

「自分は記憶力がないから…」

「物覚えが悪いから…」

と言う子がいます。

でも、本当にそうでしょうか?

 

ある塾生は「記憶力がない」と言いながら、

好きなゲームの攻略法を友達に熱く語っていました。

また別の塾生は、

YouTuberのセリフや

アイドルのプロフィールを

驚くほど詳しく覚えていて、

本当に感心するほどです。

 

私はそのたびに思います。

記憶力がないんじゃない。

ただ、興味がないだけなんだな、と。

 

人は好きなことに対しては、

驚くほどの集中力で情報を吸収します。

「覚えよう」と思わなくても、自然と頭に入ってくる。

これは人間の自然な反応です。

逆に、興味が持てないものは、どうしても記憶に残りにくい。

でもそれは「才能の差」ではなく、

「気持ちの差」なのです。


だからこそ、

勉強も「どうせ無理」「自分には覚えられない」と思う前に、

少しでも興味を持てるように工夫してみてほしいと思っています。

もちろん、塾としても「どうすれば興味を持てるか」を常に考え、

授業の中で工夫を凝らしています。

でも最終的には、「覚えたい」と思えるかどうかが、記憶の差を生むのです。

興味は、外から与えられるだけでなく、自分の中から育てていくものでもあります。

たとえば、

歴史なら、人物をキャラクターとして見てみる。

地理なら、旅行気分で国や地形を学ぶ。

数学なら、パズルやゲーム感覚で取り組む。

理科なら、身近な現象と結びつける。

 

ちょっとしたきっかけで、

「つまらない」が「ちょっと面白い」に変わることもあります。

 

記憶力は、生まれつきの能力ではありません。

どれだけそのことに心を向けられるか。

「覚えたい」と思えるかどうか。

それが、記憶の差を生むのです。