2023/11/23

うがった見方

 
本日は、勤労感謝の日。
 
私は午前中から中3御父兄様との二者面談を行いました。
 
小学生の授業は規定通りお休みですが、
 
中学生は中間テスト前の学校もあるので、
 
休日返上で平常通りに授業です。
 
 
 
 
さて、
 
「穿(うが)った見方」
 
という言葉があります。
 
日常生活でもしばしば使われる言葉ですが、
 
私は使わないようにしています。
 
 
 
 
この「穿つ」は
 
「穴を開ける」
「突き抜く」
「掘る」
 
という意味です。
 
そう、
 
「雨だれが石を穿つ」の「穿つ」です。
 
そこから、「物事を深く掘り下げる」といった意味に転じ、
 
「物事の本質をうまく的確に言い表す」という意味も持つようになったのです。
 
 
ですから、
 
「本質を捉えた鋭い見方をするな」と思ったときに
 
「穿った見方をするねぇ」と使うことになるのです。
 
 
 
しかし、今は、
 
「ひねくれた見方をする」
「疑って掛かるような見方をする」
 
という意味に捉えている人が多いと知ったからです。
 
 

「穿った見方をする」の意味を尋ねると、

 

「物事の本質を捉えた見方をする」 26.4%

「疑って掛かるような見方をする」 48.2%

 わからない 20.3
 
※平成23年度「国語に関する世論調査」(文化庁)より
 
 
という結果になったそうです。
 
 
 
したがって、
 
こちらとしては、
 
相手を称賛するつもりで
 
「穿った見方をされますね」と言っても、
 
正しく伝わる場合は4分の1。
 
それよりも、困るのは、
 
相手が不快に思ってしまう恐れがあることです。
 
 
ですから、私は危険を冒さず、
 
「鋭いですね、本質をついた見方ですね。」
 
とか
 
「本質を的確に捉えた見方をされますね」
 
などと言うようにしています。
 
 
 
逆に、
 
自分の意見を言うときに、
 
「ひねくれた見方をすれば」と言うつもりで、
 
「穿った見方をすれば」と前置きをしてしまうと、
 
相手に
 
「自画自賛?」
 
と思われてしまうかもしれないということです。
 
言葉って難しいですね。
 
 
 
ただ、一番微妙なのが、
 
相手に、
 
「穿った見方されますね」と
 
言われたときですね。
 
 
「さて、どちらの意味で言われたのか」と考えてしまいます。
 
 
 
まあ、どちらの意味で使っているのかは
 
その後の会話から判断ということになりますね。