2023/7/2

通知表の話② 絶対評価がマイナーチェンジ

 
前回の「通知表の話(1)」の続きです。
 
 
 
 「ゆとり教育」が始まった2002年度、
 
通知表の評価が、
 
相対評価から絶対評価に変わりました。
 
 
「5」が7%、「4」が24%、「3」が38%、「2」が24%、「1」が7%と
 
決められていた相対評価から、
 
 
各生徒が各教科の基準に対して到達していれば、
 
人数に関係なく、「5」がもらえるという絶対評価に変更されたのです。
 
極端な話、クラス全員が「5」でもいいのです。
 
 
 
そして、さらに、
 
絶対評価が2021年度にマイナーチェンジしたんです。
 
さらに、「5」が取りやすい状況になりました。
 
 
 
例えば、今年の3月(2022年度学年末)は、
 
學優塾では、1,2年生(現中2、中3)だけですが、
 
わかっているだけで「オール5」が4名もいました。
 
學優塾の場合、1,2年時には通知表の報告義務はないので、
 
実際にはもっといるかもしれません。
 
通知表もインフレを起こしています。
 
 
  
 
2002年~2020年までは
 
以下の4つの観点(国語は5つ)で評価されていました。
  • 知識・理解
  • 技能
  • 思考・判断・表現
  • 関心・意欲・態度

 このすべてて「A」を取らないと「5」にはなりませんでした。 

 

   2002年~2020年までの通知表

 

ところが、

2021年度に、絶対評価がマイナーチェンジ。
 
項目が一気に見直され

2021年度からは以下の3項目に集約されました。

  • 知識・技能
  • 思考・判断・表現
  • 主体的に学習に取り組む態度

つまり、今度は3項目で「A」をそろえれば「5」になるのです。 

これにより、さらに通知表で「5」が取りやすくなりました。

 

  2021年以降の通知表

  

そう、これこそが前回のブログでの「違和感」の正体だったのです。

 

 

では、実際どれくらい「5」が取りやすくなったのか。

埼玉県は公表していないので、千葉県のもので見てみますと、

 
「5」がつけられている人数の割合
 
      2020年度 2021 年度
 国語   17.2%  →  20.5%
 数学   19.1%  →  23.4%
 社会   21.0%  →  26.0%
 理科   20.0%  →  23.7%
 英語   21.1%  →  24.7%
 音楽   18.5%  →  20.1%
 美術   15.9%  →  18.0% 
保健体育  16.1%  →  18.4%
技術家庭  13.3%  →  16.6%
 
令和2年度千葉県公立高等学校入学者選抜における 調 査 書 の 評 定 に 係 る 調 査 結 果 の 概 要、
令和3年度千葉県公立高等学校入学者選抜における 調 査 書 の 評 定 に 係 る 調 査 結 果 の 概 要より引用
 
  

変更前の2020年度(令和2年度)と

変更後の2021年度(令和3年度)を比較すると、

明らかに、「5」の割合が増加しています。

 

社会などは、4分の1が「5」を取れています。

「5」の割合が26%ですから、相対評価のときの7%と比較すると

雲泥の差ですね。

 

 

お子様に

「お母さんは「5」とれたの?」って、

聞かれたとき、

「昔は今みたいに簡単じゃなかったのよ。」って

言うことができますね。

 

(続く)

 通知表の話③はこちら